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沈黙の部屋
Room of Silence
コンクリート、木炭、パステル、木材
concrete,charcoal,pastel,wood
H2000×W7050×D50(mm)
リビングやバスルームなど、誰かの私的な生活空間がひび割れたコンクリートに木炭で描かれている。描出されているのは作家の自室をモチーフとした光景だが、細部を観察すればこそどこか見覚えがあるような、それでいてうらぶれた心細さも漂っている。
コロナウイルスの蔓延によって、家の中は突如として人々を外部から隔絶するシェルターとなった。佐野にとってコンクリートという素材は、堅牢性の象徴であり、そこに刻まれた亀裂はその不確かさを示している。安全圏であるはずの部屋は、ここでは吹けば消えるか瓦解さえしそうな危うさを湛えており、私たちは架空の室内で寄る辺なく立ちすくむ。
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